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【第21回】使いやすい手すりの位置とは
福祉住環境コーディネーター2級 見目真一

さて、今回のWEBセミナーでは、使いやすい手すりの位置について考えて行きたいと思います。
手すりと一口に言いましても、太さや形状、素材等、様々な種類があることは皆様もよくご存じの事かと思います。
詳細につきましては、ひびきスタッフにご相談頂いた際にご確認いただくとしまして、今回は、”使いやすい手すり”をテーマにお話させて頂きます。
まず、初めにお断りさせて頂きますが、これからお話する内容はお読みいただいている皆様に当てはまることではありません。特に、難病を患っているような患者様には、そのお病気に則した取り付け方で施工を行わなければ、2次的な障害を負ってしまう危険性も考えられます。このセミナー上では、毎回のようにお伝えしておりますが、実際に施工を検討される場合は、担当の作業療法士や理学療法士、ひびきスタッフまでよくご相談下さい。
今回取り上げる手すりは、”平らな場所を歩く際に使用される横手すり”について考えて行きます。
この横手すりの高さは、はたしてどのような位置に設置すると使いやすいのでしょうか。
ポイントとなることは、”重心位置の安定”。
私達が何らかの姿勢を取り安定を図ろうとする場合、必ずこの重心位置が支持基底面の中に位置するようになります。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、重心位置とは、ご自身の身体の中心位置。つまり、立っている場合、重心位置は”おへそ”の奥の方になります。
支持基底面とは、地面を押しつけている場所、つまり両方の足の裏になります。
私達が立っている場合、重心位置は両足の中に位置しているため、筋力が保たれている限り倒れてしまう事は無いのですが、両足の外に重心が出てしまうと…転倒してしまう事になります。
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余談ですが、最も安定する活動的な姿勢は…”四つん這い”!?
赤ちゃんが生まれて初めて行う移動方法が”ハイハイ”であることは、十分に納得できる動作になる訳ですね。
このように重心やその重心位置について考えることは、すべての動作やそれを補う手すりについて検討する際に必要な考え方になります。
脚や腰の筋力が低下し、立っているうちに力が抜けて膝から折れてしまうような方の場合、この横手すりを適切な位置に設置することで、腕の力を使い脚の筋力を補う事が出来るようになります。
まさしく、最も安定する動作である”赤ちゃんのハイハイ”が、立ったまま行う事が出来るようになる訳です。
では、立ったまま四つん這いができる、その手すりの高さとはどのような位置になるのでしょうか。
横手すりの場合、最も押しやすい高さは・・・
『自然に立った姿勢で、手の平を軽く斜め前に出し、しっかりと押しつけることができる位置』になります。
目安になる場所は、手首の位置であったり、腰の位置であったりしますが、わかりづらい場合は専門の方にご相談下さい。
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立っている姿勢に個人差はあるのですが、彼女の場合、背筋が自然に伸びており、両肩の位置も左右差がありません。とても安定した姿勢で、手すりを押しつけることができています。手すりにセンサを設置してみると、形状は確認しづらいのですが、手のひら全体で握ることが確認できます。(赤色の部分)

では、横手すりが高すぎる場合、これらはどのように変化するのでしょうか。
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先ほどの姿勢を取ろうとはしているのですが、どうしても右肩が上がってしまい、手首も外方向に向いてしまうため、とても不安定な姿勢になります。
センサで確認してみると、手の平の外側でしか握れていないことが確認できます。

最後に、横手すりが低すぎる場合の変化について確認してみましょう。
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無理に低い手すりを握ろうとするために、前かがみの姿勢になっています。センサを見てみると、握っている面積も少なく、前方向に偏っています。

以上のように、高すぎる手すりや低すぎる手すりを使うと、姿勢が崩れ重心位置が不安定になり、脚や腰の筋力を補う事ができないばかりか、転倒に繋がる危険性も考えられることになります。
手すりを、適切な位置に設置することができれば、手すりをしっかり押しつけることができるため、手のひらで地面を押さえつけているかのように、安定した姿勢で歩くことができるようになります。
今回は、横手すりについてお話いたしましたが、この他にも、階段昇降や立ち座り、またぎ越え等の動作を補う手すりに関しましても、様々な注意点があります。
ご自身の動作や能力を、自然に、効率良く引き出すためにも、適切な手すりを適切な位置に設置されることをご提案させて頂きます。
今回もWEBセミナーを最後まで受講頂き、大変ありがとうございました。
次回もお楽しみに!!

このセミナーに関するご意見・ご感想等はこちらより。お待ちしております。

リンク栃木ブレックス 匠