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【第25回】便器の取替えについて
福祉用具専門相談員 見目真一

いつもWEBセミナーを受講頂く皆様、本当にありがとうございます。
今回で、WEBセミナーも25回になり、開始してから3年目を迎えております。
これからも、少しでも皆様のお役にたてるよう努力して参りますので、どうぞよろしくお願い致します。

では、今回のテーマ『便器の取替え』について、お話したいと思います。

これまでにお伝えしてきた工事は、主に、”使用者が限られる工事”になりました。
床材の変更や扉に関しましては、誰もが通る通路や居室であったかもしれませんが、手すりや便器に関しましては、特に、使用者の動作に適合して行かなければならない物になります。
今回のトイレは”手すり”とは異なり、改修後、使用者を限らず、誰もが使用することになるものです。よって、ご家族の状況にも配慮しつつ、使用者の方が容易で快適に使用できるトイレを作らなければなりません。

『便器の取替え』とは、和式トイレから洋式トイレに取り替える工事になります。
しかし、例外的に、洋式トイレから洋式トイレの取替えが必要になる場合もあります。
現在の洋式トイレの床から便器までの高さは、35cmから約42cm程度になりますが、この高さに、便座の厚み(約2〜3cm)が加わり、”トイレの高さ”になります。
これらの中で、最も多く設置されているトイレの高さは、40cmから41cmになりますが、以前は38cmから39cmのトイレが一般的でした。
何らかのお病気や障がいにより、この高さでは立ち座りができない場合、便器や便座を変更する必要が出てきます。
このトイレの高さを変更する方法はいくつかあるのですが、便座の高さを変えること、高さが調節できる昇降機能付きの便座を取りつけることで解決できる場合があります。
この場合、介護保険制度における補助は、住宅改修工事による補助では無く、福祉用具の購入費用の補助を受けることになります。
初めから、イレギュラーなケースをお伝えしてしまいましたが、このような状況になった場合は、私共、相談員やケアマネージャーさんにご相談下さい。

では、ここからは和式トイレから洋式トイレに変更する際のポイントについてお話して参ります。

  1. ご自身の状況を踏まえ”レイアウト”を考えましょう

    和式トイレでは排泄が難しくなってしまった・・・。
    まずは、レイアウトする際、とても重要な生活行為である”排泄行為”が、容易で快適に行うことができることを重視しましょう。
    いわゆる”水周り”のリフォームに関しては、とても多くの情報が散乱しています。
    トイレは、すべての人にとって、容易であり快適でなければならない場所になる訳ですが、その容易さ、快適さは、それぞれ使用する方のおかれている状況により変化します。
    便器を変更することが身体的な理由によるものである場合、快適なデザインや付加機能などよりも、容易に移動ができ、安全に排泄が行えることを優先されると良いと思います。
    氾濫している情報を熟考することなく、価格やデザインなどを優先し、施工を行うことは避けた方が良いでしょう。
    トイレに関する工事は、それを行う事業者によって、施工内容、価格等、様々に変化してきます。施工を依頼する事業者が、皆様のおかれている状況を十分に理解しているかを確認し、レイアウトを進めて行くことをお勧め致します。
    また、様々な理由により、和式トイレを取り外して洋式トイレに変更するような工事が難しい場合、簡易的に洋式トイレに変更する方法もあります。
    最も容易な方法は、樹脂製の洋式便器を和式トイレの上に被せるものになりますが、この場合、介護保険における購入費用の補助の対象になります。
    しかし、この方法は、便器が容易に動いてしまい、清潔に掃除をすることも難しいものです。
    このような場合、陶器で作られ、洋式トイレと同じように洗浄できる便器があります。
    和式トイレの上に被せる方法は同じですが、動かないよう床と便器をボルトで固定し、洗浄用の水が流れるよう、給水管をつなぐ工事も行います。
    この方法であれば、簡略的な工事で一般的な洋式トイレと同じように使用することができます。
    ただし、使用する方の身体状況を十分に把握し、設置後の細かな寸法を正確に把握しておかずに施工を行いますと、とても使いづらいトイレになってしまう場合がありますのでご注意ください。

  2. まずは解体!!

    レイアウトに基づいた、設計図や見積り書を十分に検討し、契約を締結し、施工を行います。
    施工は、床や、必要時には壁を解体し、和式トイレを取り外す作業から始まりますが、この時、トイレ内の床下がきれいに見えることになります。
    レイアウト時には見ることができなかった床下ですが、この時、床下にある、束、束柱、土台、排水管、給水管、配線など、いろいろな物が見えてきますので、十分に確認して行くと良いと思います。
    また、当然の事ですが、解体する際には、大きな音や粉煙が出てきます。これらの対策を取り、ご近所にも配慮されると良いと思います。

  3. いざ施工!!

    施工に関しましては、まずは、当日中に完成させることが必要になります。
    皆様の状況によれば、施工中もトイレの使用を中止できない場合もあるかもしれません。
    この場合、必ず、施工業者に対策を検討しておいて頂かなければなりません。
    どのような和式トイレであっても、ほとんどのケースにおいて、当日中に完成することが可能です。作業者に過度の負担が無く、環境に優しく、費用も抑えられる施工方法があります。
    その内容と工期については、事前に十分に確認しておくことが必要です。
    施工中は、作業の内容により、位置の確認などが必要になる場合があります。
    一度施工を行ってしまいますと、やり直すことは難しい場合がありますので、随時、施工業者との協議を行い、工事を進めて行くことをお勧め致します。

では、実際の施工例をご紹介いたします。

施工例
便器と便座の間を嵩上げした例です。福祉用具の購入費用の補助を受けることができる製品です。

施工例
レバーで、便座を昇降することができるリフトの例です。便器やトイレ内の状況により設置できない場合があります。設定を変更することにより、垂直昇降、斜め昇降の設定が可能な製品が一般的です。

施工例
樹脂製で据え置くだけの便器の例です。便器を変更するだけでは動作が不安定な場合、その他の工夫が必要になります。

施工例
床に固定し、給水管を繋ぐ洋式便器の例になります。和式便器を取り外すことなく洋式便器に変更することができます。仕上がり後の、諸々の寸法を十分に把握しておく必要があります。洗浄機能付きの便座を使用することもできます。

施工例 施工例
一般的な、和式トイレから洋式トイレに変更する工事の例です。介護保険の住宅改修工事費の補助の範囲内で、十分に行う事ができる内容です。

トイレの変更と言いましても、いろいろな方法があり、注意しなければならないことが多々ありますこと、ご理解いただけましたでしょうか。
トイレの工事に関しましては、医療職、福祉職よりも、施工業者の方が知識や情報量は多いかもしれません。
しかし、このような工事を必要とされる方は、何らかの障がいを持っておられることに変わりありません。決して、施工業者が中心となるような工事ではなく、医師や、福祉住環境コーディネーター、理学療法士、作業療法士、看護師、ケアマネージャー等のアドバイスも十分に受け、使いやすく快適なトイレを作ることができるよう、ご期待しております。

今回も、最後まで受講頂き大変ありがとうございました。
次回のWEBセミナーもよろしくお願い致します。

このセミナーに関するご意見・ご感想等はこちらより。お待ちしております。

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