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【第24回】引き戸等への扉の取替えについて
福祉住環境コーディネーター 富田智子

今回は、住環境整備(介護保険制度において対象となる工事内容のひとつ)の『引き戸等への扉の取替え』についてご説明致します
新築のお宅では、バリアフリー化された住宅も多く、居室の扉に関しましても、“開き戸”ではなく“引き戸”になっている場合が多く見られます。
しかし、このような状況は、新築のお宅の場合であり、既存の住宅では、まだ“開き戸”が多く使われているのが一般的です。
引き戸がまったく無い訳では無いのですが、洋室や水周りは開き戸で、和室は引戸。
しかし、その引戸とは”襖”であって、開閉するには重すぎてしまう、というのが一般的かと思います。

[開き戸・引き戸の開閉動作の違い]
開き戸・・・ノブを回し、『押す』または『引いて』開閉を行う。
引き戸・・・戸の取っ手に指を掛け、横にスライドさせて開閉を行う

「開き戸を引き戸等へ取り換える」ことが、なぜ必要とされるのか・・・。
普段、開き戸で部屋の出入りを行う際、何気なく行っている動作が、実は多くの動作を必要としていること、また、場合によってはその戸が動作に支障をきたしていることにお気づきでしょうか。

身体 足の不自由な方 歩行器で移動される方 車いすで移動される方
扉を引く 後に下がりながらまたは横に移動する 歩行器を操作しながら後ろへ下がる(スペースがない場合あり) 車いすを操作しながら後ろへ下がる(スペースがない場合あり)
扉を押す 動いて不安定な扉(ノブ)につかまりながら移動 歩行器の前方へ手を伸ばし、歩行器を操作しながら移動 車いすを操作しながら移動
  • 部屋の出入りを行う際は、扉の開閉のため、片手をふさがれてしまいます。
  • ノブを握りながら移動を行うことも、転倒につながる場合があります。
  • 扉を、押したり引いたりする場合、重心位置を変更しなければならないため、バランスを崩しやすくなります。
  • 歩行器や車いすなど操作しながらの移動も困難です。片麻痺などの障害がある場合は出来ない場合があります。

動作に支障をきたす場合というのは、トイレや浴室などスペースが限られてしまう部屋に、扉を押しながら、車いすやシャワーキャリー、歩行器で入った際に、扉が閉められない・・・
などという場合のことです。
また、同じ開き戸であったとしても、ドアノブを”レバーハンドル”に交換することで、前述した問題が改善される場合もあります。ドアノブを操作する時間が短縮されることで、事故の危険性が軽減されます。

このような問題については、実際に経験されている方もたくさんいらっしゃるかと思います。引き戸にすることによって、こういった複雑な動作を減らし、動作を妨げることも少なくすることができます。

実際に扉の交換を行うという場合、既存の扉を取り外し、新たに作らなければならなく、費用負担が大きいのではないかとご心配されるかもしれません。
このような場合は、扉を新たに作らず、既存扉を利用し、引き戸に変更する方法があります。私達が依頼される工事の中でもこのようなケースは多く、扉変更の費用負担を抑え、その他の改修工事を総合的に行い、暮らしやすい家づくりを行うことができるようになります。

技術的なことになりますが、引き戸にする場合、扉を納めるスペースが必要になります。
しかし、住環境上、扉を納めるスペースが設けられない場合、アコーデオンカーテンなどに変更する方法があります。

引き戸であっても、アコーデオンカーテンであっても、開閉を行うレバーの形状は重要になります。指だけで扉を開閉することが難しい場合、取っ手を握り易い”レバー”に変更することで操作がし易くなります。

扉を開閉する際の”重さ”は、レールを変更することで解消できます。
『Vレール』等に変更すれば段差解消も行う事ができますし、上吊り式に変更すれば、段差自体が無くなることになります。どちらも、比較的軽い力で開閉することができます。
最近の製品は、扉の開閉が軽過ぎて、強く閉まり過ぎたりしないよう、速度を調整しながら閉まるような製品もあります。

これらの工事については、実際に扉の取替えが必要なのかどうか、お身体の状態を観させていただいたり、現在の住環境などでどのような扉の取替えが可能なのかどうかなどを確認し、ご本人・ご家族の同意の下、改修を進めて行くようになります。
また、扉の交換だけを行ったとしても、その他の部分の改修を行わなければ問題が解決されない場合も多々あります。
改修をお考えの際は、専門職の方にご相談いただくことが必要かと思われます。

最後に、施工例をご覧ください

開き戸(改修前) 引き戸(改修後)
開き戸(改修前) 引き戸(改修後)
開き戸(改修前) 引き戸(改修後)
開き戸(改修前) 引き戸(改修後)
開き戸(改修前) 引き戸(改修後)

これからも、皆様がご自宅で安全に過ごすことができるよう願っております。
今回も、WEBセミナーを受講いただきまして、ありがとうございました。

このセミナーに関するご意見・ご感想等はこちらより。お待ちしております。

リンク栃木ブレックス 匠