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【第23回】床材の変更について
福祉住環境コーディネーター2級 見目真一

今回は、住みやすい家づくりにおける『床材の変更』についてご説明します。
前回までの、”手すり”や”段差解消”は、皆様も良く見たり、聞いたりされる身近な工事であったかもしれません。
今回のテーマである、”床材の変更”についても、聞き慣れない言葉ではありますが、ごく一般的に行われている工事になります。
身体機能や、公的補助などの諸条件にとらわれない、一般家庭で行われる“リフォーム工事”では、実に良く行われている工事になるのではないでしょうか。
生活習慣が変わり、和室を洋室に変更したい場合や、廊下、水周りの床が、所々凹むようになってきた場合など、床を張り替えることはごく普通にあるかもしれません。
この『床材の変更』は、住みやすい家づくりのために、とても効果的な工事になります。

ただし、一般的なリフォーム工事と、障がい者や高齢者が公的な補助を受けて行う工事では、同じような床を張り替える工事であったとしても、意味が異なります。

まず、日常生活用具や介護保険制度では、床が傷んでいるので貼り替えたい、と言うような場合には対象となりません。あくまで、身体状況の変化により、現在の家屋では生活が困難である場合に限り、公的な補助の対象となります。
公的な資金により営まれている制度になりますので、一般的なリフォーム工事は対象となりません。
例えば、車いすを日常的な移動手段として使用せざるを得なくなり、これに伴い、和室を洋室に変更することになった場合などは、畳を他の床材に張り替える工事が、補助の対象として認められることになります。
車いすのキャスタは、径が小さく硬いため、畳の上ではとても操作がしづらいものです。
畳もすぐに傷んできてしまいますので、車いすユーザーさんにとって、この床張り替え工事は、とても意味のある工事になります。

床材を変更する場合、様々な床材が考えられます。
今回は、屋内で用いられる床材について、それぞれの特徴を踏まえながら、いくつかご紹介させて頂きます。

材料名 写真 主な使用場所 メリット デメリット
複合フローリング 複合フローリング 居室、廊下等 強固、掃除が容易、車いす等の駆動性が良い 水分に弱い、傷がつきやすい
クッションフロア クッションフロア トイレ、洗面所等 水分に強い、車いす等の駆動性が良い、デザインが多種、掃除が容易 傷がつきやすい
カーペット 居室、廊下 クッション性が良い、吸音性が良い 車いす等の駆動性が悪い、掃除が困難、汚れやすい
タイルカーペット タイルカーペット 居室、廊下 クッション性が良い、吸音性が良い、交換が容易 車いす等の駆動性が悪い、掃除が困難

この他にも、様々な床材があります。
それぞれの材料によって、特徴が異なりますので、ご自身の動作能力や移動方法、日々の生活に則した材料を選ばれることをお勧め致します。
私のこれまでの経験では、屋外用のクッションフロアを屋内に使用したこともあります。
その方の状況や、床の形状を考慮した場合、この材質が最も適していると判断したためであり、結果、屋内用のクッションフロアでは成し得なかった効果を発揮してくれました。
それぞれの素材の特徴を十分に把握し、柔軟な考え方で施工を行うと良いと思います。

ここまでご説明差し上げてきた“床材の変更”とは、”床仕上げ材の変更”であるとも考えられます。
実際に施工する際には、内部構造にも十分な配慮が必要になります。
床材を変更することで、新たな段差が生じたり、歪み、軋み等があってもいけません。
身体状況によっては、室温等への配慮も必要になります。
公的な補助を受ける場合であっても、材質や仕様への制限は設けられていません。”床暖房”も対象となる場合がありますので、お住まいの市町や専門職にご相談ください。

今回のWEBセミナー、皆様、いかがでしたでしょうか。
これまでのセミナーでは、「必ず専門家にご相談ください」と言うフレーズが、多々あったかと思いますが、今回の場合、最も重要な専門職は”施工業者”になります。
床材を変更する工事自体は、一般的な建築業者であれば必ずできるはずです。
理学療法士や作業療法士よりも、床材に対する知識も豊富にあるはずです。
しかし、手すり取付工事や段差解消工事とは異なり、一度、床材を決定し、施工してしまいますと、修正することはとても困難なことになります。
使用される方が、何らかの障がいを抱えていることを十分に理解し、これまで以上に、検討を行い、施工されることをお勧め致します。

今回も、最後まで受講頂きありがとうございました。
次回のWEBセミナーもお楽しみに!!

このセミナーに関するご意見・ご感想等はこちらより。お待ちしております。

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